父の涙

  • 2022.7.20
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以前のレターフォーユーで、毎日息子を電話でたたき起こしている!

とお話いたしましたが、

実父にも電話することが朝の日課となっております。

 

先日、父との電話で我が息子の大学生活の話をしていた時突然、

「お前は親として息子を応援し、浪人させてでも夢を叶えてやろうとしたのに、

俺はお前が行きたい大学を諦めさせて、短大に行かせてしまった。

本当に悪かったーーー。」

とまあ、じいさん朝から“おいおい”泣き始めたのです。

 

私が高校の頃にバブルが崩壊し、両親が経営していたお店も、

かなりの影響を受けました。

ある4年制の大学に行くのが、幼いころからの夢だったのですが、

話合いの結果、指定校推薦もいただけたので、某短大への進学を決めました。

まさか父がいまだに心を痛めていたとは知らず、びっくりしました。

 

私は短大時代から、父のお店で働いていました。

私でないとわからない仕事があるとその都度、

当時主流だった「ポケットベル」に、忘れもしない!!『4903』

(※至急03番のお店に連絡くださいと言う意味)

という暗号を送ってくるので、

講義中でもそ~っと抜け出し、公衆電話に電話をかけにいったりして、

すっごい大変だったし、

結婚式の朝、

「お父さん・お母さん、   長い間お世話になりました。」と

お決まりのあいさつをしようとしても、

「どうせ夕方には仕事に来るんでしょー?待っとるでね。」

と笑って言うので、

「はあ~?自分の結婚式だよ?行くわけないじゃん!(怒)」

花嫁なのにすっごい不機嫌な顔で式場入りしたし、

息子の出産翌日も、帝王切開で座ることもままならない私の病室に、

朝の7時にたんまりと仕事を持ってきてくれて、

退院したらこいつぜってー『回し蹴り』をしてやる!

とも思っていたし・・・

どうせ謝るのなら、大学の事なんてどうでもいいから、

この数々の暴挙を謝罪してくれ

 

でもね、仕事の打ち合わせの名残とは言えど、

この歳になっても毎朝「お父さんおはよう!今日も元気?」と電話できるのは、

これらの笑っちゃうような思い出があるからです。

そんな昔の事いつまでも悩んでないで、どうかお母さんの分まで長生きしてくださいな。

これからも毎朝ちゃんと電話してあげるからね。

 

「え?何ですか?みゆきの電話は怒ってばかりだから嫌だ?」

・・・久しぶりに回し蹴りしてあげましょうか?(ニヤリ)

 

 

内村みゆき

レターフォーユー