今回は私の人生最大の敵?母のお話をしたいと思います。
母の特徴といたしましては、普通の事でもただでは済まない体質とでも言いましょうか…
一緒に出かけますと、かなりの確率で災難に巻き込まれます。
数えきれないほどある武勇伝?の中で、
私が今でもトラウマ級に忘れる事が出来ない事件の内の一つを、
お話したいと思います。
私の実家では、毎年正月に伊勢神宮に初詣でへ行くのが、恒例行事でした。
私が小学生くらいだった頃の1月4日に、伊勢神宮へ初詣でへ行ったのですが、
伊勢神宮の内宮に着くと、例年に増して参拝客が多いような気がしました。
「なんか今年はすごい人だね~」と話していると・・・
神宮内の玉砂利の参道に規制線がはられ、通行が一時的に制限されました。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
1月4日は首相が伊勢神宮を参拝される日なのです。
毎年来ていたのに、首相参拝に遭遇したのはこの年が初めてでした。
当時の内閣総理大臣はNさんで、規制線の外から一目見ようと、
たくさんの参拝客と一緒に私達家族も待つことにしました。
続々と報道陣や関係者が目の前の規制線の中を進んでいきます。
まだかまだかと待つのですが、なかなか来ません。
報道陣・関係者の列が途切れ、ついにN首相が来ると思い、
まわりの緊張が高まってきました。
カメラを構える参拝客達… 緊張が最高潮まで達したその時、
Nさんの特徴的なバーコードヘアの男性 が,
歩いてくるのが遠くに見えたのです!!
髪型が見えた瞬間、間髪を入れず、
母は 神宮内 隅々まで響き渡るかのような声で、
「あっ!来た、来たーーー!Nさーーーん!!!」
と叫んだのです。
その後に続き父までも・・・
「よっ!日本一!!」 と。
母のまわりでカメラを構えていた参拝客達は、
(当時はインスタントカメラ『写るんです』が主流でした。)
一斉にシャッターを押し始めました。
その10秒ほど後…
私たちに近づいて来たその人を良く見ると、
N首相ではなく,
同じ髪型の報道関係者(別人)だった のです。
“ぎゃ~~~~~~!
ち ・ が ・ う ・ ひ ・ と じゃーーーん!!”
私の前にいた きれいな髪のお姉さんと数人の参拝客は、
「撮っちゃった・・・・・・・・」と
呆然 としていました。
あのお姉さんの引きつった顔は今でも鮮明に覚えています。
フィルムタイプのインスタントカメラ『写るんです』は、簡単に消せないので・・・
家に帰ってカメラ屋さんに現像に出したら、
“まったく知らないバーコードヘアのおじさんが
写っていた” ことでしょう。
その1分ほど後、閣僚達に囲まれ、
N首相は悠々とにこやかな笑顔で歩いて来たらしいのですが、
もう恥ずかしいやら、申し訳ないやらで・・・
姉と私は脱兎のごとく
その場から逃げ出したのは言うまでもありません!
あの時居合わせた皆様、誠に申し訳ございませんでした。
母に代わりまして、謝罪いたします。
母の失敗談は、語り出すと不眠不休で語っても3か月以上はかかりますので、
またぜひとも、皆様にご紹介したいと思います。