3年前に親父が亡くなり、母が認知症のため、我々夫婦も介護生活に入りました。

　母はすでに施設に入っていますが、ほっとくわけにもいかず、独身の姉と我々夫婦で面倒を
看ています。面倒といっても、病院に連れて行ったり、施設の部屋で一緒にお弁当を食べたり、
古い家族旅行の写真を見たり、実家に連れて来て外泊させたりの介護ですので、介護になって
無いかもしれません。

　姉と交代とはいっても、私は仕事やらヨットやらで行かれないことがあり、カミさんに任せ
てばかりです。私が行かれない時は、カミさん一人で新幹線での往復になります。

　最近、新幹線のシートも改善され、前の座席との幅も広くなり、リクライニングも寝やすい
角度まで倒れるようになりました。私のような大柄な人間でも、飛行機に比べると数段も快適
です。

　皆さんも新幹線に乗ることがあると思いますが、シートを倒しますよネー。いつからか、シ
ートを倒す前に後ろの人に「シート倒します！」の挨拶をすることが良しとされてませんか？
私は取り立てて挨拶は必要ないと思いますが、一応、倒すときは後ろの人に一言ことわるよう
にしています。

　先日、カミさんが実家から帰ってきて、「やってしまた！」と話しだしました。名古屋駅か
ら新幹線に乗って、暫くしてシートを倒してのんびりしようと・・・。レバーを引いて、背中
でシートを押してもシートが倒れてくれません。おかしいと思って、もう一度しっかり背中で
シートを押しながらレバーを引いたいら、隣の女性が視界から下がって行ったのでした。

　新幹線の3人席は右側の肘掛けにレバーがついています。真ん中の席と通路側の席は左右両方
にレバーがついています。カミさんは何気なく、左のレバーを引いて、シートを倒そうとした
ために、隣の女性が、倒れて行ってしまいました。しかも、その女性は若い外人でした。慌てた
カミさんは思わず、「Ｓｏｒｒｙ！Ｓｏｒｒｙ！」と言ったそうです。外人の女性はにっこりと
笑い返してくれたそうです。

　カミさんは「私ってすごくない！ちゃんと英語で謝ったんだから・・・」と誇らしげに語るの
でした。

　新幹線でシートを倒すときは右の肘掛けのレバーです。お間違えの無いように・・・

奥平泰昌